愛を孕む~御曹司の迸る激情~
ーー ピーンポーンッ
ーー ピーンポーンッ
いつの間にか眠っていた私は、チャイムの音で目を覚ました。ハッとして起き上がり腕時計を見ると、まだ7時を過ぎた頃で、須崎くんが来るにはまだ早かった。
「須崎くん、まだ7時過ぎだけど......」
私はろくに確認もせず、勢いよく扉を開けてしまうと、目の前にいた人を見て目を丸くした。
「成宮さん......」
それは思わぬ訪問者だった。
「寝てた?顔に跡ついてる。」
私の顔を見るなり、そっと手をかけ頬を指でなぞりながら、じっと見つめてくる彼。その優しい眼差しに、固まって動けなくなっていた。
しばらく彼を見つめていると、私はハッとして慌てて顔を逸らした。
「どうしたんですか?」
「ん?いや。食事でもどうかなーと思ってさ。」
私は後ずさりながら、彼に見惚れていた自分に戸惑いながら、突然のことに言葉を詰まらせた。だってこれから、須崎くんと食事に行くことになっていたから。
どう断ろうか悩んでいると、ニコッとわざとらしく笑う成宮さん。
「なに?もしかして、須崎とも約束してた?」
そう言う口調は、あたかも最初から分かっていたかのようだった。