愛を孕む~御曹司の迸る激情~
私は納得してひな子の後を追いかけながら、ビルを出た。そして、少し歩いて着いた先。
「はいっ、今日はファルファーラで同期会でーす!」
向かっている最中、何となく嫌な予感がして、私は見える先の看板に早々と頭を抱えていた。
「ランチもここだよ、ひな子さん。」
そして、『farfalla』の看板の前で立ち止まったひな子に、私はそう突っ込んだ。
「だーいじょうぶ、大丈夫!ファルファーラのご飯は、どんなに食べても飽きないよ。」
「うそだー。」
「じゃあ、ランチ何食べた?」
「パスタだけど......」
「それならパスタ食べなきゃいいの。昼と夜じゃ出るものガラっと変わるんだもん。はい、入って入って〜!」
私はあっという間にひな子のペースにのせられて、カランカランという鐘の音と共に足を踏み入れた。
「もー、ここ来るなら先に言ってよー。」
「大丈夫!信頼と実績のファルファーラだから!」
ひな子は後ろから私をグイグイと押し、楽しそうにそう言う。