愛を孕む~御曹司の迸る激情~

「私、誕生日はまだ先だよ?」

 プレゼントなんてもらう予定もなかった私は、戸惑いを隠せず、彼と袋を交互に見た。

「いいから、開けてみ?」

 私は、言われるがままに袋を開けた。

 すると、中から出てきたのは、細長いケース。しっかりとしたそのケースを恐る恐る開くと、そこにはパールのネックレスが入っていた。

「きれー.....」

 思わず、そう声が漏れた。すごく高そうなネックレス。でも、何でもない日のプレゼントこそ怖いものはなかった。

 一気に警戒心が強まり、ゆっくりと彼に目を向けた。

「これ、どうしたの?」

 私は疑うようにそう聞くと、返ってきた言葉は意外なものだった。


「母さんから預かってきた。」

「お母さんから?」

「そう。母さんが結婚式につけてたらしいんだけど、詩音に絶対似合うからって。式は来年だし、まだ早いって言ったんだけど、どうしても渡してくれって聞かなくてさ。」

 そう言って、ワインを一口飲む祐一。その瞬間、疑ってしまった自分が急に恥ずかしくなった。


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