愛を孕む~御曹司の迸る激情~

 今日は、私たちが付き合って2年と何ヶ月かの記念日。彼は毎月の記念日に、こうして外食に連れて行ってくれて、今日も素敵なお店でお祝いしてくれている。

 プレゼントは、お互い誕生日とクリスマスだけにしようと決めていたから、何もないものだと思って警戒していた。

 だけど、疑う余地なんてなかったんだ。こんなにマメに祝ってくれる優しい人なのに、勝手にあんな言葉間に受けて....


 私は反省しながらも、パールのネックレスを手にとり、首元にあてて見せた。

「どう?」

「うん、凄く似合ってる。」

「本当?じゃあ、絶対つけよ!」

 そう言って、自然と溢れ出る笑みに幸せを噛み締めた。


 すると、突然真面目な顔になる祐一が、持っていたワイングラスを置いて言った。

「そうだ、本当に良かったの?入籍伸ばしちゃって。」

 そして、心配そうに私の顔を伺った。


 本当は、先月入籍するはずだった私たち。けれど、結局先延ばしにしてしまった。それは、私の勝手な都合で.....

< 140 / 219 >

この作品をシェア

pagetop