愛を孕む~御曹司の迸る激情~
「いや、顔合わせのこと忘れてた俺が悪いから、何にも言えないんだけど....。本当に良かったのかなって、今更ながら。」
「ううん、そのことはもういいの。」
私は、そう言って微笑んだ。
「やっぱり、結婚するとお互いの家族も関わってくるし、ちゃんと私の両親にも会ってもらってからの方がいいかなって思って。」
地方に住んでいる両親は、まだ祐一と会ったことがなかった。お母さんは、私が決めた人ならきっと良い人だからと、会うのはいつでもいいって言ってくれたけど....
やっぱり、安心させたい。
「そっか。それなら詩音が言う通り、会ってからにしよう。この前は本当ごめん。」
「ううん、大丈夫だよ。」
「あー、ご両親にもちゃんと会った時謝らなきゃなー。いつがいいんだろ。」
「うちはいつでも空けられると思うよ?」
私はそう言ってフフッと笑いながら、ワインに口をつけた。そして、ふと外の景色を眺めた。
お父さんにもお母さんにも、できるだけ心配はかけたくなかった。ちゃんと、この人と結婚するんだと胸を張って紹介したい。
だって、血の繋がらない私を、ここまで育ててくれた大好きな二人だから。