愛を孕む~御曹司の迸る激情~

 食事をひと通り終え、お酒もいい具合に回ってきた頃、紙袋をガサゴソと漁り出したひな子。

「はいっ、じゃあ私たちからの結婚祝い!」

 そう言って、片付けられたテーブルの上にドーンと箱を置いた。

「え、本当!?開けてい?」

「うん!!」

 私は口に手を当て驚きながら、綺麗に包装されたプレゼントを丁寧に開けていった。そして、中から出てきたもの。

「ホットプレートじゃん!えー、可愛い、これ欲しかったんだよね。」

 よく結婚祝いのプレゼントにすることが多い、ブランドもののホットプレート。以前、先輩の結婚祝いを準備していた時、ひな子と絶対欲しいと話していたことがあった。

「詩音の結婚祝いはこれだなって、ずっと思ってたんだよね!」

「えー!本当に嬉しい、ありがとう!」

 得意げに言うひな子に抱きつきながら、私は目をキラキラさせていた。


 すると、突然携帯の画面をこちらに向けてきた須崎くん。

「ちなみに、こんな動画もプレゼント。」

 彼はそう言って、画面をタップした。動画が始まると、ホテルの一室で座る雪哉がこちらに手を振っていた。

「雪哉??」

 私はそう呟くと、動画の中の雪哉も口を開いた。

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