愛を孕む~御曹司の迸る激情~
「結婚しようとか、彼女になってとか....。簡単に言うけど、分かってる?子供がいるんだよ?他の人との子。あなたたちの子供じゃないの。」
言っている間は、もう無我夢中だった。須崎くんの表情なんて見る余裕もなく、ただ今は言いたかった。
「血のつながらない子供と家族になるって、簡単じゃないの。それ分かって言ってる?彼女になるのも結婚するのも、私にとっては大事なこと。将来がかかってる。軽い気持ちで言わないで。」
若干息を切らしながら、まくし立てるようにそう言い放った。きっと、須崎くんは驚いているだろう。思わず、成宮さんに対する言葉まで、なぜか彼に向けて言ってしまった。
でも、一旦冷静になった時。須崎くんの複雑そうな横顔を見て、ハッと我にかえった。
「あ、ごめん。」
「いや....。」
気まずい空気が流れ、私はそわそわとしながらもう帰りたいと思った。居ても立っても居られずに、黙って去ろうと立ち上がった。