愛を孕む~御曹司の迸る激情~
私は倒れた日から一週間、溜まっていた有給を消化し、休みをとることにした。
「いつもありがとう。食事まで作ってくれて。」
「全然?でも良かったよ。ちょっとずつ食べられるようになってきて。」
キッチンで洗い物をする成宮さんのもとに、食器を運びながらそう言う。今日は、そんな穏やかな日曜日の朝だった。
彼には本当に何から何までお世話になり、頭が上がらない。無条件で私を支えてくれて、どこまでも良い人。
私はこの幸せな日常を噛みしめながら、キッチンに立つ彼をじっと見つめた。
「ん?どした?」
すると視線に気づき、不思議そうに笑いながらこちらを見る成宮さん。私はにっこりと微笑み、首を振った。
「ううん。なんでもない。」
そしてリビングへ移動し、椅子に座ってテレビをつけた。今日も、平和な日。そう思っていた。
ーーピロロン、ピロロン
その時、家のインターホンが鳴った。私は荷物の宅配か何かだろうと思いながら、なんとなくモニターに向かう彼の姿を目で追っていた。
「はい。......ああ、はい。じゃあ、そこで。」
しかし、相手は宅配便.....ではなさそう。声のトーンも様子も、少しおかしかった。