愛を孕む~御曹司の迸る激情~
「私のこと、ちゃんと好きだった?」
私はキッチンに移動し、一度落ち着きたくて紅茶を入れた。一瞬ココアに手を伸ばそうかと迷ったものの、祐一が作ってくれるココアを思い出してしまいそうで、とどまった。
そんな中、突然切り出した私の言葉にビクッと反応する彼。
「え?」
そう出した声は、少しうわずっていた。
私は、内心ドキドキしながら、紅茶を置きソファに座る。
「今だったら、何言われても受け止められる気がするから。」
そして、ずっとモヤモヤして聞きたかった言葉を、彼にぶつけた。
「何が本当で、何が嘘なのか。ちゃんと教えて。」
真剣に、今なら真っ直ぐ目を見られる。もう、失うものなんて何もないから。
「わかった。」
そうして沈黙が流れた後、ゆっくりと頷いた祐一。
「でも、長くなるから、最後まで聞いて欲しい。隠さず全部話すから、最後までちゃんと。」
そう念を押す彼の顔は、真剣そのものだった。私は生唾をのみ、覚悟を決めて頷く。
「分かった。ちゃんと最後まで聞くよ。」
そう言いながら、内心とても怖かった。手にギュッと力をこめて、大きく深呼吸をした。