愛を孕む~御曹司の迸る激情~
「ほら、牧田はそのへんにしとけって。」
「やだもっと飲むー!!」
「いや、酒もそうだけど...。蕪木にそうゆう絡み方するのをやめろっての。」
お酒を飲むと人に絡む癖があるひな子。面倒見のいい須崎くんは、入社当時からいつもひな子の世話を焼く役回りになっていて、それがもう恒例化していた。
「でもさでもさ、須崎も、あの高瀬祐一と結婚するなんて勝ち組だと思うでしょー?」
「いや、俺に言うなよ。」
ひな子が散らかしたテーブルを片付け始める須崎くんは、呆れたようにそう言った。
「えー、だってさあ?まずもう高瀬グループの御曹司ってとこで、100ポイントぐらいあげたいじゃん?その上、大人で包容力あって、高身長で優しくて、かっこいい!あと何?もう全部完璧じゃない??」
「はいはい。」
「もうさ、玉の輿っていうか宝の山って感じだよねー。」
「はいはい、分かったから。」
飲み始めてから4時間ほどが経過し、ひな子はだいぶ酔っ払っていた。まあ、いつもの光景。
私と南は、同期会の後半に差し掛かると、こうなるいつもの2人の様子を見て楽しんでいる。だから須崎くんは、ひな子の扱いには慣れたものだ。