愛を孕む~御曹司の迸る激情~
「えー、それで許しちゃったんですか?」
「うん、許しちゃった。」
数日後。休憩室でコーヒーを飲みながら、祐一と話したことを紗和ちゃんに報告した。
しかし、それを聞いた彼女はマドラーでコーヒーをかき混ぜながら、納得のいかない様子だった。
「私はやっぱり、なんかそれ聞いても説明じみてるなーって気がしちゃうんですけど。」
「まあね。でも、今まで2年付き合ってきて何もなかったし、決定的なところ見たわけでもないから。憶測だけで疑いたくないなって。」
私はゆっくりとコーヒーを味わいながら、そう言って微笑んだ。
すると、しゅんとした表情の紗和ちゃん。
「蕪木さんが、それでいいなら。」
そう言って、コーヒーを一気に飲み干した。
「ごめんね、いっぱい相談のってもらったのに。」
私はなんだか振り回してしまったようで申し訳なくなり、そう謝った。
すると、紗和ちゃんは空のカップをゴミ箱に捨て振り返った。
「すみません、なんか焚きつけるようなこと言っちゃって。私が付き合ってきたクズ男なんかと、一緒にしちゃいけないですね。」
そして、そう言って笑った。