愛を孕む~御曹司の迸る激情~
「多分父さんも、そこまで考えちゃいないよ。ただ、君に来てほしいって純粋にそう思っただけだと思う。」
「そうだとしても、全部思い通りになりそう。」
私は表情一つ変えず、そう言った。
すると、祐一はそんな私を包み込むように抱きしめると、おでこにそっとキスをした。
「ごめん。」
私は祐一のその一言で、我に帰った。もう過ぎてしまったことは、どうすることもできない。私はこの無意味な言い争いを、一気に反省した。
「私こそごめん。祐一は何も悪くないのに。」
「ううん。詩音があんなに怒るほど、社内で居場所がないってことは、よく分かった。父さんには俺から言っとく。もう余計なことしないように。」
「うん。でも私が言ったって言わないで。お父様に嫌われたいわけじゃないの.....。」
私はそう言うと、彼の唇にそっとキスをした。
「分かってる。上手いこと言っとくよ。」
祐一も私の思いに応えるようにそう言って、唇にキスをした。