愛を孕む~御曹司の迸る激情~
すると、祐一は思い出したように頭を抱える。
「そっか、それ日曜だったっけ.....」
「忘れてた??」
私はもう、怒りを通り越して悲しかった。それでも、祐一からは追い討ちをかけるような言葉が返ってきて......
「ごめん、日にち改めてもいいかな。」
私は何があっても、祐一の結婚に対する気持ちだけは前向きであると信じてた。だから、どんな違和感も見過ごせていた。私たちは結婚するんだという強い気持ちが、お互いにあると思っていたから。
でも、彼は違ったのかもしれない。
「なんで?」
私は涙を浮かべながら、そう言った。
「詩音.....」
「だって、2ヶ月も前から決まってたんだよ??お父様が忙しいからって。だからわざわざ予定合わせて、空けてもらってたのに。なのになんで急に....」
思わずそう声を荒げて言うと、祐一は落ち着かせるように私の手を握ってきた。
「ごめん、詩音。でも、その父さんが日曜は無理なんだ。」
私は、その言葉にため息をついた。もうそんなことを言われたら、分かったと頷くしかなくなってしまう。そんなのずるい。