愛を孕む~御曹司の迸る激情~
そこには、ウェディングドレスを着たモデルさんたちが、ずらりと並んでいる。まさかと思った。
「これって.....」
「ドレス。ちょっと見に行かない?」
私は嬉しすぎて、何も言葉が出なかった。
でも、冷静になってみると、ドレスを決める前にもっと色々決めることがあるのでは......。そう頭をよぎる。式場だって、まだ何も決めてはいなかったから。
「嬉しいけど、私たちなにも決められてないのに。式場とかだって......」
「それなら大丈夫。」
私の言葉に対し、祐一はなぜか食い気味にそう言ってきた。思わず、意味がわからずにポカンと口を開ける。
「あー......、本当はあとで驚かせようと思ってたんだけど、まあいっか。」
何やらボソボソ呟きながら、もう一つ雑誌を取り出す。そして、付箋の貼られたページを開いて見せた。
「このチャペルでやるのが夢だって、前にテレビ見ながら言ってたろ?だから、勝手に押さえてきた。一応、詩音にも確認して、他の場所が良かったら一緒に探そうとは思ってたんだけど...。」
私は次から次へと起こるサプライズに、頭が追いついていかなかった。
「うそ.....、嬉しい。」
そして、思わず涙が出そうになった。思ってもみなかったサプライズばかりで、もうどうしたらいいのか分からない。