私と後輩くん。
イケメンの苦悩
私たちはそれから着替えを済ませ、食堂で合流してとりあえずサービスカウンターへ行って、退勤時間の記入をした。
タイムカードとは別に、何時にきて何時に帰ったのかを記入するのがうちの店の決まりだから。
「あれ、今日は一緒に来たんだね?」
「雨ひどいから快を家まで送り届けようかと思って」
「おぉ、莉乃ちゃん優しい~
でも送り狼にならないようにね?」
「いや、なんで私が襲うほうなの、それ」
そんな笑い話を佐野さんとして、ついでに自転車置いて帰ることも代理に伝えてもらうように頼んで、
「ってか私ちょっと買い物していくけど、いい?」
「いいですよ」
買い物を始めた。
「一人暮らしなんですよね」
「うん、そうそう。
だからスーパーでバイトしてるといろいろ助かるんだよー
買った分ちょっと戻ってくるし、いちいち買い物に出かける手間もないし。
今思えば本当スーパーでバイトするメリット多すぎてしばらくはやめられないや」
子供が好きだから、小さい子ともいっぱい会えるしね。
赤ちゃんまで会えるし。
そんなバイト先、なかなかなくない?赤ちゃんまでいるんだもん。
「そういえば莉乃さんはどこの学部なんですか?」
「私は教育学部だよー
小学校の先生になりたいんだ」
「あ、子供好きそうですもんね」
「うん、だいすき!
子供のころから先生って憧れだったんだー
あ、快はどこ?」
「俺は社会福祉学部です。
理学療法士になりたくて」
「あ、そうなんだ。うんうん、似合ってるよー」
そんな会話をしながら、野菜やら肉やらをかごに放り込んでいく。
おっと、たまごも忘れられない。明日のお弁当に困ってしまう。
それと鮭も忘れられない。
あと大好きなコーヒーも…あ、水も買わないと。
「…莉乃さん、俺持ちますよ?」
「う…ごめん、
なんかこんなに買う予定なかったんだけど」
外は大雨だというのに、こんなに買い込んで…部屋まで運ぶの、大変だなこれ。