私と後輩くん。
楽しかったお昼休みも終え、快は先に戻った。
その数分後、私も食堂へと戻った。
「あ、莉乃遅いよ~!」
「ごめんごめん」
食堂はもう多くの人が移動していて、閑散としていた。
ま、もう講義始まっちゃうもんね。
私たちも急いで移動をした。
「ねぇ、美優
宮瀬快って、知ってる?」
「え?あぁ、1年の?」
「え、やっぱり有名?」
「そりゃ有名でしょー、あの顔じゃ。
ってかあの子は中学生の頃から地元じゃ有名人だよ」
「え、そんなに!?」
「そんなにだよー。
私は中学違ったけど知ってたもん。
塾なんかもその子がいると通う子がすごい増えちゃったらしくて、塾から家庭教師に切り替えたって噂聞いたし
その子の持ち物とかもすごい人気で、学校のカバンとかジャージとかもすごい人気だったよ。
そくにジャージなんかは名前が刺繍されてるから人気高かったみたい」
「え、なにそれ貰うってこと?」
「いやいや、くれるわけないじゃん!
だから勝手に持ってきちゃうんじゃない?」
「え!?え、それいいの?」
「まぁ普通に考えたら泥棒と一緒だろうね。
ないと困るからまた新しく買うんだろうけど、また盗まれて、の繰り返しだと思う。
当時付き合ってた彼女もすごいいじめられてたって有名だし」
「……なんでそんなことに…」
「まぁ、みんなのアイドルみたいな感じだったから、彼女はそんな人を独占してるわけでしょ?
それが許せなかったんじゃないの?
私も本当のところはわからないけどさ。
みんなの憧れなわけよ」
「へー…
でもそれだけでなんでいじめまでしちゃうかね…」
「愛と憎しみなんて紙一重だからねー
その宮瀬快って子も結構脅迫状的なの届いてたって噂だし」
「え、本当!?」
「まぁあくまで噂だけどね。
付き合ってくれなきゃ死ぬ、とか。
あと毎日見てます系とか。
そこらへんはよくわかんないけどさ」
「女って怖ー…」
まじかよ、そんなことまでされてたんだ…
そりゃ女性不信になるわな…
「ってかなんでそんなん知りたいの?」
「いや、なんか私もさっき小耳にはさみまして…」