私と後輩くん。
そんな話をしていたら 、後ろから
「よろしくお願いします」
そんな声が聞こえてきた、んだけど…
「お、来た来た。
お願いしますー」
チーフの目線が私から逸れ、私は聞こえてきた声に釣られて後ろを振り返ったら、そこには予想をはるかに超えた背に
ふわっとした少しブラウンの髪の毛の
男子が立っていた。
「え、男!?
男なんですか!?」
「え、うん。
言ってなかったっけ?」
「聞いてないですよ!だってさっき新しい子って言ってたし…」
チーフが『子』なんていうから、てっきり女の子だと思ってたじゃん…
がっつり男子じゃんか…ってかよく見たらイケメンだわ…
「ってかもしかして、私が教育するのって、この人…」
「うん、もちろん!」
なにをそんな陽気に…
ってか男子とか私が入ってから初じゃん…
「宮瀬さん、…って、そうだ
2人とも宮瀬なんだ」
「え、この人も宮瀬?」
「うん、そうなの。
宮瀬快くん。
宮瀬くん、こちらは宮瀬莉乃さん。
宮瀬くんのひとつ上で、今日から宮瀬くんの教育係だから
基本的なレジ業務とか、夜間のこととかは宮瀬さんに聞いてね。
あとはあそこにいる佐野さん。
最初のうちはこの2人がいるときに合わせてシフト入れるようにするから」
「はい、わかりました。
よろしくお願いします」
宮瀬くんはそう言って、さわやかな笑顔で私に頭をさげた。
なんか…イケメンだ。
やっぱりイケメンだ。
モテそうだなー、この人。
「んじゃ、よろしくね?先輩!」
「…はーい」
「んじゃとりあえず3号レジと交代でお願いします。
あ、最初は初心者マーク忘れずにね」
「はい」