私と後輩くん。

「……あの、あがってもいいですか？」

「え、うん
どうぞ」

「お邪魔します」


マジで俺、なにしてんだろ。
なんかまんまとあの2人にはめられて…

近づかないと宣言しといて家におしかけて…


「……俺、本当ガキですみません。
そりゃ後輩にしか見えないですよね」

「え、いやそんなことないと思うけど」

「あの俺、莉乃さんに近づかないって言ったの撤回します」

「え？」

「俺やっぱり莉乃さんのこと好きです」

「えっ」

「だから、今度から俺に守らせてください、莉乃さんのこと」

「……なんか、快変わったね。
知り合った頃は本当に後輩！って感じだったのに。
すごい好青年って感じだったのに」

「莉乃さんが全然俺に振り向いてくれないから焦ってるんです。
まじでかっこ悪いですよね。
でも俺、やっぱり好きなんです」


俺のその言葉に、莉乃さんは笑った。
久しぶりに見た、莉乃さんの笑顔だ。


「私、快に嫌われたのかと思った」

「え、いやいや嫌うわけないじゃないですか」

「だってなんかいきなりキスするし
いきなり近づかないって言われるし
せっかく仲良くなったのにってずっと思ってたの」

「いやだから俺莉乃さんのこと好きなんですってば」

「だから、それもよくわかんなくなっちゃってたの！
快、ゆっくり考える時間すらもくれないんだもん」

「……すみません」


本当、どこまでも俺ガキ…
がっつきすぎにも程があったし…


「でも、またこうやって快と話せてうれしいや」


そういって俺に笑顔を向ける莉乃さんが、どこまでも可愛くて…


「……そんなこと言ってると、またキスしますよ」

「えっ！？」

「嘘ですよ」


前にはなかった、その赤面も本当に可愛くて


「……あの、快」

「はい」

「ゆっくりでも、いい？」

「え？」

「私、ちゃんと快の気持ちに向き合っていくから…
その、すぐ答えだせないんだけど…

それでもいい？」

「それは脈ありってとらえていいですか？」

「……まぁ、ゼロじゃないかなって思ってる」


・・・ゼロじゃない、って。
希望うっす。

でも、頑張るしかないんだよな…