[短編]砂糖彼氏と塩彼女
*
「面白かった?」
「うん」
映画館を出るとご機嫌な紗羅。
僕たちが見たのは定番の恋愛映画……
ではなく、洋画のアクションもの。
かなり昔からやっているシリーズで、彼女が大好きらしい。
初めて見たけど、ハマるのもわかる。
すごく面白かった。
けれど、それ以上に隣で楽しそうにスクリーンを見る紗羅も可愛かった。
「お昼ご飯なに食べたい?」
「……カレー」
「わかった。美味しそうなところ探そうか」
紗羅はカレー好きらしい。
デートの日の昼食は高確率でカレーだし、僕のカレーパンをよくジッと見ている。
携帯で調べると、近くのショッピングモールの中に隣接されている飲食店が出てきた。