[短編]砂糖彼氏と塩彼女
「なにカレーにする?」
メニューを見ながらウキウキしている紗羅。
ウキウキと言っても、他人から見ればあまり変化は感じない程度。
だけど、僕にはわかりやすい方で、これも優越感。
「カツカレーがいい」
「じゃあ、カツカレーとグリーンカレー1つずつ」
「かしこまりました」
注文し終え、正面に座る彼女に視線を戻す。
「紗羅。このあとは買い物でも行く?」
「……佐藤の家に行きたい」
………
「えっ」
てっきり買い物に行くか、もう帰るとでも言うかと思った。
紗羅の不意打ちはいつも心臓に悪い。
「いいけど、誰もいないと思うしつまんないかもよ?」