[短編]砂糖彼氏と塩彼女


「なにカレーにする?」


メニューを見ながらウキウキしている紗羅。


ウキウキと言っても、他人から見ればあまり変化は感じない程度。


だけど、僕にはわかりやすい方で、これも優越感。



「カツカレーがいい」


「じゃあ、カツカレーとグリーンカレー1つずつ」


「かしこまりました」


注文し終え、正面に座る彼女に視線を戻す。


「紗羅。このあとは買い物でも行く?」


「……佐藤の家に行きたい」


………


「えっ」


てっきり買い物に行くか、もう帰るとでも言うかと思った。


紗羅の不意打ちはいつも心臓に悪い。



「いいけど、誰もいないと思うしつまんないかもよ?」


< 11 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop