[短編]砂糖彼氏と塩彼女


「いい」


「そっか、わかった」


一度だけ僕の家に行ったことはあるけど、それを言い出したのは僕だった。


内心かなり驚いているけど、紗羅のお願いを断るという選択肢はない。



「お待たせ致しました。カツカレーとグリーンカレーです」


目の前に置かれた美味しそうなカレーに集中して、ドキドキする心臓を誤魔化した。







「美味しかったね」


「うん、また来たい」



かなり気に入ったみたいだ。


それに次の約束ができて嬉しい。


「あ、そうだ。僕の家に行く前に、少し寄り道してもいい?」


「いいよ。わたし本屋にいてもいい?」


「うん。終わったら迎えに行くよ」


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