[短編]砂糖彼氏と塩彼女
紗羅が本屋に行くと言ってくれたのは都合が良かった。
本屋にいればナンパする奴もそうそういないだろうし、僕の用事は紗羅には内緒の方がいいから。
「じゃあ、本屋の中で待っててね」
彼女が頷いたのを確認し、なるべく早く目的地へ向かう。
「すみません。注文してたものを受け取りに来てんですけど」
「はい。少々お待ちください」
僕が来たのはアクセサリーショップ
もうすぐ半年だから、彼女にプレゼントを用意した。
まだピッリではないけど、今日うちに来た時に渡そうとふと思った。
「こちらでお間違いないですか?」
「はい。ありがとうございます」
店員さんから受け取った小さな袋を、丁寧にカバンに入れる。