[短編]砂糖彼氏と塩彼女


電車に乗り数分


僕の最寄駅で電車を降り、改札を出た。



「佐藤。お手洗い行ってきてもいい?」


ちょうど駅を出ようとした頃、彼女が聞いてきたので笑顔で「いいよ」と言った。


女子トイレの目の前で待つのもよくないと思ったので、少し離れた駅のベンチに座る。



「——あれ?佐藤くん?」


聞き覚えのある声と自分の名前に反応して顔を上げた。


「向井さん?」


声の主は中学で2、3年とクラスが同じだった向井さんだった。


「やっぱり佐藤くんだ!久しぶりだね!中3以来だから……もう1年半!佐藤くんは友達と来てるの?」


「彼女とだよ」


「そっかぁ。佐藤くんだもんね。いない方がおかしいよね」


< 15 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop