死んでもあなたに愛されたい






翌日。

北校の校門前。



放課後になり、ぞろぞろ下校していく生徒から、遠巻きにじろじろと見られているが、それよりもこれからのことで頭がいっぱいだった。




「ひとみ? どうした?」


「……う、ううん! 夕日きれいだなあって! アハハ!」




心配してくれる魁運は、今日も今日とてやさしい。


せっかくのふたりきり。

帰り道にゆっくり魁運と愛を育みたかった。


なのに……。



校門前で、1台の車がブレーキをかけた。




「お待たせ、ひぃちゃん! カイウンさん!」


「本日はよろしくお願いいたします」




……来やがったな。



今日は、魁運とラブラブ下校デートじゃない。

つぅちゃんと赤羽くんも一緒なのだ。



白のロールスロイスで、白園学園の制服を着て、白鳥家の人間が、白雪組のあたしの元に派手に登場。


……白、白、白。

まっしろやないかい。


ふたりの笑顔も本当に白いのか怪しいものですね。



すべての発端は、昨日のつぅちゃんのわがまま。



『秋祭りで巫女神楽を披露するうえで、この街のことを知っておきたいんです。学校や街並みを、案内していただけませんか?』



そして、こうなった。


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