死んでもあなたに愛されたい
あの3人をかいくぐって追ってきたの?
執念深いヤツめ!
「離せよバァカ!!」
「ッガァ!?」
男の骨盤あたりを、うしろ回りで蹴り飛ばした。
……あ、あたしも人のこと言えないかも。
戦うときって豹変しちゃうもんだね。うん。
「ひぃちゃん、また……!」
「追手か」
つぅちゃんをうしろに下がらせる。
来た道から現れたのは、モヒカン、柄シャツ、金歯の男。
総勢、4名。
片手で足りる人数なら、余裕のよっちゃんよ!
「どっちが例のアマだ!?」
「この際どっちでもいい!」
「両方持ってきゃ文句言われねぇだろ!」
「……ごちゃごちゃうるさいな。おうちでお茶会開いてしゃべってれば?」
遠回しに退散を要求すれば、男たちは目に見えてイライラし出す。
挑発だと思っちゃった?
残念。誤解だよそれ。
あたしを敵に回すより、アフタヌーンティーするほうがよっぽど楽しいよ~、って教えてあげただけ。
あたしって親切でしょ?
「まずはあの女、しめるぞ!」
「とっ捕まえんのはそのあとだ」
「ちっと遊んでやらぁ」
えー、ひどいなあ。
あたしの親切を無下にしちゃって、もう。
「そんなにあたしと遊びたいの?」
でも、ごめんね?
今回はそう楽しくやってられないの。
妹を守らなくっちゃ。