死んでもあなたに愛されたい


あの3人をかいくぐって追ってきたの?

執念深いヤツめ!




「離せよバァカ!!」


「ッガァ!?」




男の骨盤あたりを、うしろ回りで蹴り飛ばした。



……あ、あたしも人のこと言えないかも。

戦うときって豹変しちゃうもんだね。うん。




「ひぃちゃん、また……!」


「追手か」




つぅちゃんをうしろに下がらせる。



来た道から現れたのは、モヒカン、柄シャツ、金歯の男。

総勢、4名。


片手で足りる人数なら、余裕のよっちゃんよ!




「どっちが例のアマだ!?」

「この際どっちでもいい!」

「両方持ってきゃ文句言われねぇだろ!」



「……ごちゃごちゃうるさいな。おうちでお茶会開いてしゃべってれば?」




遠回しに退散を要求すれば、男たちは目に見えてイライラし出す。


挑発だと思っちゃった?

残念。誤解だよそれ。


あたしを敵に回すより、アフタヌーンティーするほうがよっぽど楽しいよ~、って教えてあげただけ。

あたしって親切でしょ?




「まずはあの女、しめるぞ!」

「とっ捕まえんのはそのあとだ」

「ちっと遊んでやらぁ」




えー、ひどいなあ。

あたしの親切を無下にしちゃって、もう。




「そんなにあたしと遊びたいの?」




でも、ごめんね?

今回はそう楽しくやってられないの。


妹を守らなくっちゃ。


< 112 / 329 >

この作品をシェア

pagetop