死んでもあなたに愛されたい
一生、この皮膚に刻まれるなら。
やっぱり。
――ガプリ。
「上書き、してやる」
ふぁっ……!?
アザになった肌を、魁運に食べられた。
なぐさめるようになめて。
かすめとるようにかぶりつき。
しるしづけるようにやわく口づける。
「か、かいう……っ。マユちゃん先輩に見られちゃ……」
「見てないわよ~」
……ぜったい見てた。
恥ずかしい気持ち半分、見せつけてやりたい気持ち半分。
でも魁運はどうでもいいらしい。
たびたびあたしを見ては、焦がれるような表情で腕を刺激する。
痕になりそうなところぜんぶ、魁運の温度に侵食されていく。
俺のもんだ、と。
皮膚の下の細胞に教えているみたい。
くすぐったくて、やけに熱っぽい。
「俺のだけで、埋め尽くせりゃいいのにな」
今もとっくに魁運でいっぱいだよ。
それに気づかないで、夢中になってあたしの傷に唇を這わせてる。
あたしのぜんぶ、あなたのだってこと。
名前を書くよりもえぐるやり方で、たくさん証明してほしい。
消えても、何度でも。
あたしに噛みついて。