死んでもあなたに愛されたい
「では、その間、ぼくは警備の強化をしてまいります」
「俺も、神亀のヤツらが来たみてぇだから、顔出してくる」
男性陣が退出し、双子だけの空間となる。
心地よい静けさの中。
ふわふわな髪に、つげぐしをとおしていく。
「カイウンさん、ほんとかっこよかったね」
「あの美貌は天性のもの! 今日だけかっこいいわけじゃないからね!」
「カイウンさんオタクだ」
「同担拒否」
あたしは過激派なんでね。
ずばっと牽制させてもらうよ!
彼のかっこよさにそれ以上気づくな! あたしだけのもんだ! ふんっ!
「でも、今日の正統派な見た目じゃ、モテモテなんじゃない?」
「そうなんだよ……。みんなちょろすぎ……」
秋祭り中、何度逆ナンされてたことか……。
そのたびにあたしが殺気を出して、追っ払ってた。
悪い虫は早めに駆除しないとね。
ここに来る道中も、そこかしこに殺虫剤をまいといたよ!
「カイウンさんのほうは全然ちょろくないよね。ふたりの仲のよさがパワーアップしてて、正直妬いちゃった」
「妬け、妬け。そんであきらめろ」
「やだよう。わたしに釘づけになるように、巫女神楽がんばる!」
やる気満々だよ、この子……。
さすがあたしの認めた恋敵。
がんばるな、とは言えない。
正々堂々戦ってこそ、真のヒロインさ!