死んでもあなたに愛されたい



巫女神楽も終盤。


扇を開きながら、1回転、2回転。

ヴェールを頭の上にかぶせ、全身を包んだ。


胸元に扇の花が咲く。


琴の弦がはじかれると、ターンしながらゆるゆると座りこみ、静かに目を閉じた。



「すばらしい~~!」

「きれいだったあ……」

「なんという華々しさ!!」



拍手喝采。

お客さんの興奮が高まっていく。


歓声を受け、立ち上がったつぅちゃんが深い礼をすると、よりいっそう拍手の量が増えた。



熱が冷めやらぬまま、つぅちゃんは舞台を降りた。

よろけた体を、やさしく抱き留める。




「あ、ひぃちゃ……ありが」


「なんのために従者がついてると思ってるの!!」


「……ひぃ、ちゃ」




労いの言葉を真っ先にかけられなかった。


みんな、ほめたたえ、よろこんでる。

でもね、あたしは怒ってるし、悔やんでるよ。




「わかってる? 自分が何をしたのか」


「……っ」


「この前の比じゃないんだよ? この場に何人いると思って……」


「……わかってても、言霊を、使わずにはいられなかったの」


「わかってないよ……! だ、だって……だって、つぅちゃんはあたしとはちがうんだよ……?」


「うん、ごめんね。でも……力を、尽くしたかった」




――たとえ、未来が欠けたとしても。



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