死んでもあなたに愛されたい



あたしならあんなヤツらガン無視一択だけど、パイセンは律儀っすねぇ。

受験生なのにちゃあんと相手してあげるんだ。




「で、誰から告白?」



「だっから! 告白じゃねぇっつってんだろうが!」

「気色わりぃ……」

「おめぇら神亀が手ぇ出したんだろ!?」



「順番は決まってないのね。わかったわ」



「話を聞け!!」

「何なんだよ、こいつ……」




あらら。しょっぱなからマユちゃん先輩のペースだ。

敵に同情しちゃう。


いつの間にか教頭先生、校舎内に避難してるし。




「それじゃあ、わたしを捕まえたら告白させて、あ、げ、る」




語尾にハートマークでもつけそうなくらいの甘ったるい言い方。


ぞわっと身震いするバイク集団。

その隙に、マユちゃん先輩は逃げていく。



「ま、待ちやがれ!」

「カマ野郎が……!!」

「調子乗ってんじゃねぇぞこら!」



ブオンブオンと煙がまき散らされる。



神亀の総長 VS バイク。
おいかけっこの始まり、始まり。

ひゅ~! パフパフ~!


果たして、生身の人間が自動車に勝てるのか!

さすがに逃げ続けられないか!?



おおっと!?
早速、マユちゃん先輩の背後にバイクが迫っている! どうするマユちゃん先輩!?




「フッ、バイクに勝てっかよ!」


「そうねぇ。バイクで負けたら赤っ恥ね?」



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