死んでもあなたに愛されたい



すれすれのところで避けてくれたからいいものの。

スリルを楽しんでるのがよーくわかる。



高笑いしながらあたしの横でバイクを一時停止させると、ダサい男がぜえぜえ言いながら寄ってきた。


一体、いつ、形勢逆転したのやら。




「マユちゃん先輩、あのクソダサ連中に何したんですか」


「ぷっ。く、クソダサ……ククッ」


「はあ、はあ……い、今、はあはあ……なん、つった……っ」




クソダサだからクソダサっつったんだよ。

あたしたちが話してる間に、ちょっと息整えたら?




「こいつら……このクソダサなヤツらはね、わたしたち神亀にとっては誤算だったのよ」


「わざと言い換えましたね」


「わたしたち、今ちょっとした調査をしていてね?」


「スルーですか」


「隠密行動とかしちゃってたら、変なところに巻き込まれちゃって」


「……それが、こいつらだと」




めんどうごとホイホイかよ。

まあ、隣の総長さんは、めんどうごとだとは思ってないようだけど。




「学校にまで押し寄せてくるとは思わなかったけどね~」


「そのわりには余裕そうでしたけど」


「警戒はしていたし、下っ端からの目撃情報もあったからね。わたしが先陣きって引きつけて、背後から仲間が敵を1人ずつ引きずりこんで殺れば、さくっと終わるかなあと思って」




さくっと終わるのを、楽しそうに引き延ばしてるのはどこのオネエだ。


< 146 / 329 >

この作品をシェア

pagetop