死んでもあなたに愛されたい
すれすれのところで避けてくれたからいいものの。
スリルを楽しんでるのがよーくわかる。
高笑いしながらあたしの横でバイクを一時停止させると、ダサい男がぜえぜえ言いながら寄ってきた。
一体、いつ、形勢逆転したのやら。
「マユちゃん先輩、あのクソダサ連中に何したんですか」
「ぷっ。く、クソダサ……ククッ」
「はあ、はあ……い、今、はあはあ……なん、つった……っ」
クソダサだからクソダサっつったんだよ。
あたしたちが話してる間に、ちょっと息整えたら?
「こいつら……このクソダサなヤツらはね、わたしたち神亀にとっては誤算だったのよ」
「わざと言い換えましたね」
「わたしたち、今ちょっとした調査をしていてね?」
「スルーですか」
「隠密行動とかしちゃってたら、変なところに巻き込まれちゃって」
「……それが、こいつらだと」
めんどうごとホイホイかよ。
まあ、隣の総長さんは、めんどうごとだとは思ってないようだけど。
「学校にまで押し寄せてくるとは思わなかったけどね~」
「そのわりには余裕そうでしたけど」
「警戒はしていたし、下っ端からの目撃情報もあったからね。わたしが先陣きって引きつけて、背後から仲間が敵を1人ずつ引きずりこんで殺れば、さくっと終わるかなあと思って」
さくっと終わるのを、楽しそうに引き延ばしてるのはどこのオネエだ。