死んでもあなたに愛されたい



今日、魁運がずっとピリピリしてたのは、この件か。

こんなめんどうごとがあるってわかってたら、そりゃ舌打ちするわ。



あたしだってしたいくらい。


こいつらのせいで、魁運との種目決めも下校もなくなっちゃったんだよ!?

万死に値する……!




「無駄話してんじゃねぇ、総長さんよ」


「あ、息は大丈夫そう?」


「うっせえ!!」


「人が心配してやってるのに。最近の子は血の気が多くて困っちゃうわあ」




100パー困ってないでしょ。

さっさと片して、あたしに魁運との時間をちょうだいよ。




「ひとみんは下がってて?」


「――……え? ひとみがいんのか?」




こ、この重低音ボイス!

敵の背後から、生まれ持った白い輝き!


満を持して登場!!




「か! い! う! ん!」


「本当にいんじゃねぇか……。今ここ危ねぇっつのに」




おつかいでとおりかかった。

という口実で、あなたに会いに来ました!


会いたかったよ、魁運!!




「カイ、そっちは終わったの?」


「あとちょっと残ってるが、下っ端のヤツに任せてきた。繭は……また遊びすぎてただろ」


「やだ、ちがうわよ。ちょっとバイク借りただけよ」


「それを遊んでるっつうんだよ」



< 147 / 329 >

この作品をシェア

pagetop