死んでもあなたに愛されたい
今日、魁運がずっとピリピリしてたのは、この件か。
こんなめんどうごとがあるってわかってたら、そりゃ舌打ちするわ。
あたしだってしたいくらい。
こいつらのせいで、魁運との種目決めも下校もなくなっちゃったんだよ!?
万死に値する……!
「無駄話してんじゃねぇ、総長さんよ」
「あ、息は大丈夫そう?」
「うっせえ!!」
「人が心配してやってるのに。最近の子は血の気が多くて困っちゃうわあ」
100パー困ってないでしょ。
さっさと片して、あたしに魁運との時間をちょうだいよ。
「ひとみんは下がってて?」
「――……え? ひとみがいんのか?」
こ、この重低音ボイス!
敵の背後から、生まれ持った白い輝き!
満を持して登場!!
「か! い! う! ん!」
「本当にいんじゃねぇか……。今ここ危ねぇっつのに」
おつかいでとおりかかった。
という口実で、あなたに会いに来ました!
会いたかったよ、魁運!!
「カイ、そっちは終わったの?」
「あとちょっと残ってるが、下っ端のヤツに任せてきた。繭は……また遊びすぎてただろ」
「やだ、ちがうわよ。ちょっとバイク借りただけよ」
「それを遊んでるっつうんだよ」