死んでもあなたに愛されたい
「生活する場所に困ってるんだろう? 家出している間、ウチで暮らすといいさ。幸い、ウチはふたり暮らしでね。部屋はたくさん空いてるんだ」
「見ず知らずの小娘を……いいんですか……?」
「小娘って。かわいいお嬢さんを放ってはおけないよ」
「お、お父様……!!」
「ここではぜひ、おじ様、と呼んでくれ」
「おじ様~~!!」
調子に乗って何度も呼べば、おじ様はほくほくと満足げ。
そうか。イケメンは遺伝するのね! ナイス遺伝子!
「簡単に了承していいのかよ……」
「いいんだよ。おまえだって拒むつもりなかったんだろう?」
「…………」
「お嬢さんがいい子なのは、見ればわかる」
「……いいヤツだよ、本当に」
心が空より広いイケメン親子に、いい子判定をいただいてしまった!
あたし、特別いい子じゃないけど、ここではいい子になります! がんばります!
「あ、あたし! きっと……いや、ぜったい、迷惑をおかけてしまうと思いますが、責任はすべてあたしが取りますのでお気遣いなく」
「おっと、お嬢さん。子どもが自ら、重たいものを背負う必要はないよ」
「……で、でも……」
「ウチで暮らすと決まったなら、きみはすでにわたしの保護下だ。気遣いがいらないのは、こっちのセリフだよ」
隣では、金髪少年も同意を示している。
か……か、かっこよすぎるうう!!
あたしの知ってる大人とはちがう! 今まで父さんを基準にしていたあたしがバカだった!