死んでもあなたに愛されたい

相手





「体温は?」


「36.4!」


「せき、鼻水は?」


「ナシ!」


「体は?」


「ぴんぴんしてる!」


「顔色は?」


「わるく見える?」


「……お嬢、問題ないようですね」




チェックリストはすべてクリア。

お目付け役のお墨付き。



モスグリーンのチェック柄のスカートを、ひらり、ひるがえしてみる。

前髪のみつ編みも、ネクタイもイイ感じ。


今日のあたしのコンディション、過去イチ最高!




「なんたって今日は、約束の1週間後だもん。問題があっちゃ困るでしょ?」


「早いものですね。もう1週間経ってしまったなんて……早すぎる……」


「そう寂しがらないで、兵吾郎。ちょくちょく顔を出してあげるから」


「お嬢~~!」


「だから連れ戻しに来たりしないでよね。来たら絶交」


「お嬢ぉぉ……」




今日が待ち遠しかった。


この1週間、ずっと今日のために生きてきた。
って言っても、過言じゃない!


父さんの言いつけだってきちんと守ったし。こんないい子ちゃんだったの、はじめてだったんじゃないの?



軟禁……もとい、病人生活を終えて。


待ちに待った今日!

やっと!


魁運と会える!!


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