死んでもあなたに愛されたい
「あはは、ごめんごめん。テンション上がっちゃって」
急にメリーゴーランドが停止した。
差が激しいんじゃ!
頭がクラクラする……。
おじ様の拘束が解かれ、ひさしぶりにおじ様と顔を合わせる。
焦点の合わなかった景色が、元に戻ってくると、じわじわとこみ上げてくるものがある。
「おかえり、ひとみちゃん」
「た、ただいま帰りました、おじ様!」
おかえり。ただいま。
この輪に、また、入れてもらえるんだ。
あたしのためにつくってくれた居場所。
ここが、あたしの、第二のわが家。
うれしくて、うれしすぎて、笑えばいいのか泣けばいいのかわかんないな。
「おうちの人と和解したんだってね」
「はい。完全に、というわけではありませんが、身勝手な反抗期をきちんと終えることができました。魁運たちのおかげです」
「そう、よかったね。……本音を言えば、家出をする理由がなくなったから、ここには帰ってこないんじゃないかって思ってたんだよ」
あたしがここにいなければいけないワケは、もうどこにもない。
なくなってしまった。
父さんたちの言う『あたしのため』の意味は理解できたし、気持ち程度には謝ってもらえた。まだぜんぶを許してはいないけど。
これからは監禁しなくなって、ウチにいても学校に通えるし、魁運とも会えるだろう。
だけど、それじゃあ物足りない。
「ウチには、魁運がいないですから」