死んでもあなたに愛されたい






客って、君たちか。




「おかえりなさい、ひぃちゃん」


「ひとみ様、おカバンお持ちいたしますよ」


「つぅちゃん、それに赤羽くんも……」


「俺ん家で何してんだ」




白園学園の生徒が、にこにこ笑顔でお出迎え。


って、なんでやねん。



学校帰りに寄ったの? わざわざ?

あたしたちが帰ってくるまで、玄関で待ちかまえてたの?


なんでだよ。暇か。



……い、いや、みなまで言うな!


本当はわかってる。わかってるぞ。



白雪じゃなく永鳥家のほうに、あたしに会いに来たってことは。

しかも、護衛の任に戻ったらしい赤羽くんを携えて。


それが答えじゃないか!




「ちょうどいい。伝えておきたかったの」


「ひぃちゃん?」


「もう監視役は降りていいからね」


「え」




赤羽くんがあたしを監視するために来たんでしょ。


それにつぅちゃんまで付き合わされて……なんかごめんね?




「家出ではなくなったんだし、監視する必要はないよね?」


「監視役のこと、お気づきだったんですね」




おい。あたしのこと鈍感ぽく言うのやめて。

……まあ、気づいたのは、ウチに連れ戻されたときだけど。


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