死んでもあなたに愛されたい
「つ、つぅちゃん? あたしカケオチはしてないよ? 家出をやめて、魁運と一緒にいるだけ」
「そのカイウンさんと一緒にいることが問題なの」
「あ、ヤキ」
「モチじゃない」
ちがうの!? 照れてるんじゃなくて本当に!?
てっきり、つぅちゃんも魁運のこと好きなのかと……。
それなら恋敵を監視するのも、うなずけ……いや、う、うん、うなずける。
本当の本当は、恋しちゃってるんじゃないの?
「ちがうからね」
「はい」
ちがうのか。
それはそれで、よっし! ライバルが減った!
しかし疑問が増えた! オーマイガー!
「じゃあ何が問題なの? 父さんもこころよく……かどうかは知らんけど、送りだしてくれたよ?」
「そうね、まさかお父様が許可を出すとは思ってなかった。ただでさえ、野蛮な不良で、家が神社という不穏な気を寄せつけやすいのに、相手がカイウンさんと知ってて……」
つぅちゃんは険しい顔つきで、ぶつくさ不平不満をもらす。
あんまり聞き取れないけど、ひどい言い草なのはたしか。
魁運に恋してるどころか、実際はそこまで好感度高くないのか?
「わたしだったらぜったいに許可しない。ひぃちゃんとカイウンさんを会わせない」
そ、そこまで!?
好感度高くないというより、きらってるレベル!
それはそれで悲しいような……。