死んでもあなたに愛されたい



そこの嬢ちゃん、と示すのは――やはり、つぅちゃんの姿。



悲観し絶句する妹を尻目に、どこまでも上からな申し入れをして、名案とばかりにニヤニヤしている。


ああいうのを気味のわるい笑いというのだ。

呆れて何も言えない。



散々脅しまくっておいて、鬼じゃないって?

あんたは鬼だよ。自覚しろ。


妹は物じゃないし、帰るならさっさと帰れ。はなっからお呼びじゃないんだよ。




「ただ、この条件をのめねぇっつうなら……しょうがねぇ。一人ずつ順番に殺してくしかねぇなぁ?」



「キャアァァ!!」

「いや……死にたくない……っ」

「助けて……!」



「チッ、黙れ! 騒ぐんじゃねぇ!!」




――バンバンッ!!



これのどこが鬼じゃないって?

体育祭をぶち壊しにしたのはどいつよ。



どうやって償ってもらおうか。




「……警備隊は?」


「あ?」


「外に配置されてたでしょ」




大ごとにしないために、一般人をよそおい見張っていたはず。


観客席にもひそんでいるようだけれど。




「あー……ハハッ、あいつらか。あんな大規模な人数が動けば、何かあるって教えてるようなもんだろ?」


「で? やっつけたら騒ぎになるから、警備隊にまぎれこんだの?」


「大正解! おかげですんなり入れた」




それでこの男も私服なんだ?

白鳥家の意図を把握しているあたり、それなりに策を立てて来たようね。


バカではあるけど。


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