死んでもあなたに愛されたい
……その隙に。
「よーく見てごらん? 外でいろいろとやってくれてた警備隊が、続々と中に集まってきてるの」
「んなこと!?」
「あるんだよねぇ、それが。大多数の気配を利用すればちょちょいのちょいよ」
「バカな……っ」
「知らぬ間に、みんなを守る警備隊のバリケードができあがってたなんて……ほんと、バカみたいだね」
先生、生徒、観客の塊を囲む、カタギではないオーラ。
白雪組の先鋭たちのほかに、マユちゃん先輩率いる神亀のメンバーもいる。
ここまで態勢を整えるのに、どれだけ神経をすり減らしたことか……。
敵の流れに見せかけ、負けず劣らずの演出をし、ずっとあたしたちに注意を引き続けた。
ね? けっこうがんばったでしょ、あたし。
魁運の傷とか、あたしの髪とか、多少予想外のことは起こったけど。
フラストレーションたまりまくりですけど!
「お遊戯は、ここまで」
「っ!!」
「だっけ? 祭りは祭りでも、血祭りにあげてあげようか」
モザイクがかからない程度に相手してあげる。
どう? ありがたいと思わない?
償う準備しておいたほうが賢明かもよ?
「おれ、も、やる……っ」
魁運も立ち上がった。
まだ顔色はよくない。
それどころか汗の量が増え、ケガをした左足はすくんでいる。
らしくない。
何も大丈夫なんかじゃない。
だって。
呪いと呼ばれたソレは、明らかに、黒く、黒く――。
「ち、畜生おおぉぉ! おめぇらかまえろ!!」
「!!」
「あいつ……巫女だけ生きてりゃなんでもいい! やっちまえ!」