死んでもあなたに愛されたい
「なんだ、なんなんだ……テメー何なんだよ!?」
「昔は白雪組だったんだろうけど、現役に敵うはずがないだろう?」
「てんめぇ……!!」
男は使えなくなった銃を投げ捨て、走り出した。
銃撃が得意そうだから接近戦には弱いだろう。
とかいう考えで襲いかかってきてるとしたら。
「……純也」
「どうもアニキ」
なんて浅はかなんだろう。
兵吾郎はピストルを横にいた純也に投げ渡し、男の腕をねじ上げる。
地面に押し倒し、動けなくさせた。
その間に、赤羽くんは狙いを定める。
「不細工は撃ちがいがあんな」
毒づいた口をぺろりとなめ、躊躇なくショット。
狙いは、地面に倒された男……ではなく。
その50メートル離れた、また別の敵。
「ダァッ、ア、ゥアア!?!」
「ブスの泣き顔きっしょ」
火薬にライターを近づけていた、露出多めの痴女を、撃ち抜いた。
寸分の狂いもなく、左手の薬指を。
縁を断ち切るかのごとく。
「赤羽くんの豹変ぶりは慣れないわ……」
ハッ! 冷静にドン引きしてる場合じゃない!
投げ捨てられた銃を回収しに行かなきゃ!
「……あっ」
「トレードすんなら人質逃げれねぇようにすんのが先だろ」
しまった!
先に敵に銃を拾われた!