死んでもあなたに愛されたい
結局、魁運と接触できず、放課後になってしまった。
言いつけどおり、大通りを選んで帰っている。
あたしひとりで。
本当は魁運と帰りたかったけど、すぐどっか行っちゃって、誘おうにも誘えなかった。
関わるなと言われたのに誘っていたら、怒られたかな。
でもでも。
モヤモヤしたままいるのはいやだよ。
行きは楽しかったな……。
あっちの路地裏のほうで、狭い道をふたりきりで……。
「……ん?」
路地の奥に光る、金色。
目を凝らしてみればやっぱり。
あの金色は……!!
全力でダッシュし、その金色に突進した。
「うお!?」
「魁運~~!!」
「えっ、ひ、ひとみ!?」
背中に体当たりしたら、その衝撃も相まってひどくおどろいていた。
やっと見つけたよ。
ここは学校外だから話しかけてもいいよね? ね!?
「ここで何してるの?」
「いや……」
「一緒に帰ろうよ」
「――その子、だあれ?」
魁運の正面から、響きのよい声がした。
金色とはちがう色が、あたしをうかがう。
「カイのカノジョ?」
「ち、ちげぇよ! 俺ん家の居候」
「居候なんていたっけ?」
「最近できたんだ」
「へぇー。居候の子、ねぇ……」
ピンクみがかったハイトーンの長い髪。
細い髪の束をうしろでひとつにまとめている。
きれいなお姉さん……と思いきや、学ラン。
眉目秀麗な男の子だった。