死んでもあなたに愛されたい
「初めまして、よね?」
「……よ、よね?」
「カイと仲のいい女の子は初めて見たわ」
「……わ?」
「かわいいわねぇ。カイって意外とメンクイ?」
「ちげぇよ!!」
……わねぇ?
オンナを強調したような喋り口調は、本気ですか、ボケですか。
きれいな容姿をしていらっしゃるからまったく違和感がないのがまたなんとも……。
「お名前は?」
「し……さ、佐藤ひとみ、です……」
「1年生?」
「は、はい」
「わたしは高橋 繭。3年よ。気軽にマユちゃんって呼んでね」
独特な個性の彼、マユちゃん先輩は、バイクにまたがりながらうしろ髪をなびかせ、にこりとほほえんだ。
バイクはいかつい大型で、銀と黒が映えている。
「マユちゃん先輩……よろしく、お願いします」
「先輩なんていらないわよ~」
「ま、マユちゃん……せん、ぱい……」
「ふふ。まあいいわ。よろしくね、ひとみん」
「ひ、ひとみん……?」
クセが強いな……。
魁運とはまたちがう方向でギャップがすごい。
類は友を呼ぶってやつか。
「……あら。あらあら?」
いきなりマユちゃん先輩が、顔を近づけてきた。
なんだ。
なんだ、なんだ!?