死んでもあなたに愛されたい



痛い目にって……あ! まさか!

魁運がかっこよすぎるせいで、ファンクラブから目をつけられるとか!?


それなら理解できる。
魁運がモテないはずないもん。現にあたしからモテモテよ。


ラブか。そうか。すべてはラブが原因なのか。




「永鳥魁運は――“死神”、なんだよ」


「……はい?」




なんつった?


ラブ、ではなかったことだけは聞き取れた。

変な単語聞こえたけど……うん、聞きまちがいだろう。




「も、もう一回、いい?」


「だから! 彼は“死神”なの!」


「…………ええーと……厨二病か何か?」


「ちがう!」




聞きまちがいじゃなかった。

父さんと同類かと疑ったが、ちがうらしい。


不真面目のようなことを、影野さんは大真面目に言っている。



魁運は。

あたしのとっての神様は。


神様は神様でも、死神だった、と。



ふむ。なるほど、なるほど。

……いや、意味わからん。



「永鳥魁運は、呪われてるんだよ!」

「関わった人みんな、ポルターガイストに遭うってうわさ」

「不良グループの幹部になってからは、やばいことに首つっこんでるらしいし」

「実際、入学式に先輩殴って、退学にさせたんだよ!」



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