死んでもあなたに愛されたい
あたしに触られるの、そんなにいやだった!?
ガーン……。
「あ、その……俺の手、汚い、から……」
「汚い? どこが?」
「血……とか、傷、とか……」
赤く染まった、ボロボロな拳。
痛そうに震えるそれを、いとおしく思うのはおかしなこと?
「汚くないよ。あたしは好き」
きれいだよ。かっこいいよ。あったかいよ。
どのほめ言葉でも言い尽くせないから、拳にチュッとキスをした。
好きだよ。大切に想ってるよ。
生と死の境目に立つあたしと、死神と呼ばれるあなた。
世界一お似合いだと思わない?
自惚れかな?
あたしは、この運命を本物にしたいよ。
「一緒に帰ろう。あたしの作るオムライス、食べてほしいな」
「……あ、ああ」
赤くなった魁運に、ドキドキしながら笑みをもらす。
脈ありな反応がうれしくて、もう一度、魁運の手を強く握った。
「ひとみん、大胆ね~」
「繭もいたのか」
「今気づいたの!? おっそ!」
「マユちゃん先輩もオムライス食べます?」
「え! いいの? じゃあお言葉に甘」
「だめだ。来んな」
「カイひどいわね!」