死んでもあなたに愛されたい
「事実確認をしてやっているんだ。答えろ。呪われているのか?」
「な、」
「あー、待て。先に言っておこう。厨二病ではない」
「……まだ何も言ってねぇけど」
俺が呪われているのか、だって?
……ああ、そうだよ。
俺は呪われている……らしい。
そのことを親父から聞かされたのは、小学6年生のころ。
俺の容姿をクラスメイトにバカにされ、ケンカになったことがあった。
ふと、我に返ると。
息巻いていたクラスメイトは、そろって顔面蒼白。
知らぬ間に窓ガラスは割れ、机は倒れ、クラスメイトの傷が増えていた。
『……ば、バケモノ……!』
なぜそこまでおびえられているのかわからなかった。
担任から話を聞いた親父は、そこで初めて、真実を打ち明けた。
昔、神社の前に、赤子が捨てられていたという。
その子には霊が憑いていた。
わざわざ神社に置き去りにしたのもそのせいだろう。
添えられていた白い紙に記されてあったのは、その子の名前と思しき2文字。
――魁運。
それが、俺だった。
『わたしの力ではあやふやにしか感じられないが、おそらく、魁運に憑いた霊が暴走し、教室での惨事を起こしてしまったのだろう』
『……う、うそだろ……。す、捨て子……? おばけ……?』
怨霊か守護霊かもわからない。
ふつうではないナニカが、ずっと俺の背後にいる。
バケモノだと恐れていたクラスメイトは、あながちまちがっていなかったのだ。