死んでもあなたに愛されたい
あたしが学校生活に期待してたから。
楽しみにしていたのを知ってるから。
……あたしのために。
他人のふりをしたんだね。
やさしいね。
でも、あたしたち、他人じゃない。
ふりなんかできないよ。
魁運を他人だと思ったことない。
ひと目見た、あの瞬間から、あなたはあたしの唯一なの。
「あたしはね、魁運と一緒にいたい」
「ひとみ……」
「魁運に冷たくされちゃうほうがやだ」
無関係を装われるの、けっこうメンタルにくるんだよ。
せっかく同じ学校、学年、クラスなのに。
こんな運命的な環境を無駄づかいしてたまるか!
あたしの理想には、ぜったいに魁運が居て。
それをぜんぶ叶えるには、ずっとそばにいなくちゃ。
ふたりで昼休みを過ごすのも、理想のひとつなんだよ。
「ねぇ、魁運。一緒にお昼ごはん食べてくれる?」
「いいのか……?」
あたしが頼んでるんだよ?
いいに決まってる!
クラスメイトの評判も、憑りついてる霊も、あたしには、ネクタイが少し曲がってるかどうか程度のちっぽけなこと。
とりわけ気にするタチじゃない。
そんなことより!
魁運とどうしたらイチャイチャできるかを気にしていたい!
「魁運、食べよ」
「ああ。いただきます」