死んでもあなたに愛されたい
あなたの魅力に気づくのは、あたしだけでいい。
あたしのかわいいとこが見れて、お似合いだとほめられるのも、あなただけがいい。
「あらあら、お熱いわね。それどういうプレイ?」
おや。種類のちがう雑音が。
声のしたほうに視線を上げていく。
後方の扉からひょっこり現れたのは、今日もお美しい、マユちゃん先輩。
「繭。何しに来たんだよ」
「カイに報告しに」
「報告?」
「そ。いつもは屋上にいるのに今日はいないんだもの。探しちゃった」
耳元から魁運の手が離れていくのを惜しみながらも、なかなかいい情報を手に入れてしまった。
魁運は教室にいないとき、いつもどこにいるんだろうって思ってたけど……そうか、屋上か!
屋上はいわば青春の聖地。
今度はそこでランチにしよう!
「わざわざ教室まで来なくても……」
「だってカイ、集会がなきゃ、たまり場に来ないじゃない」
「うっ」
「だったら学校にいるうちに会っとくのが効率的でしょ? せっかく同じ北校生なんだし」
マユちゃん先輩は呆れ気味に入室し、魁運の頭にあごを乗せた。
なぬ!? 耳をふさぐより密着度の高いテクニックを……!!
腕を回したらバックハグじゃん! ずるい!