死んでもあなたに愛されたい
食べかけのお弁当とともにやって来た屋上で、ランチタイムを再開させる。
マユちゃん先輩の昼食は、お惣菜パンと菓子パン。
途中で寄った購買で買ったのだ。
購買も屋上も初めて訪れたけれど、なんていうか、「学校!」「高校生活!」って感じがしてワクワクする。
「で、報告って?」
早速、魁運が本題を促す。
「この前、カイに絡んできた暴走族のヤツらがいたでしょ? ほら、ひとみんとわたしが駆けつけた」
「あー、あの浮気とか寝取ったとか言ってた腐れ外道か」
「そいつらに暴力団がついてる説があったけど、それは真っ赤なうそだったのよ。だから、ぱぱっと片付けて、族ごとつぶしておいたわよ。もう手出しされないと思うわ」
「そっか……。面倒ごと任せてわるかったな」
「いいのよ。協力するのは当たり前でしょ」
あたしも関係があるってそういうことか。
ヤツらを野放しにしていたら、あの場に居合わせたあたしが狙われる可能性もあった。
根本を断ったおかげで、その可能性がなくなり、安全を取り戻せたのだ。
……と、ふたりは考えてるんだろうなあ。
狙われる心配は、元よりゼロなんだけどね。
なんせ、あたしがこっぴどくトドメを刺したんだ。
あたしの手で丸くおさめられたと言っても過言じゃない。
あの脅しのあとに、あたしをカモにしようとは思わないだろう。