死んでもあなたに愛されたい
この報告を教室で伝えてたら、また好き勝手うわさされていただろうな。
屋上に来て大正解!
「だけど……様子が変だったのよね」
「変?」
「片付けたといっても、あいつら、始めからやる気がなかったというか……。あのときのウザさがまったくなくって、終始おびえてたのよねぇ」
「懲りたんじゃねぇの?」
あ、それ、確実にあたしのせいだ。
あの脅し、効きすぎちゃったかな。
本気は出してないんだけどなぁ。
「ひとみん、あのとき一回ハンカチを取りに戻ったわよね?」
「え!? あ、う、うん!」
「そのとき何か言われたりした?」
「な、何も!?」
「そうよねぇ……」
「そうよそうよ! 何もないわ! おほほ!」
うろたえすぎて口調がうつった。
何キャラだ、あたしは。
ここはさっさと話題を変えてしまおう!
「そ、そんなことより! ねぇ、マユちゃん先輩!」
「なあに?」
「さっき教室で言われてたことで気になったことがあるんですけど」
「……なに、かしら」
「マユちゃん先輩が、総長なんですか!?」
「…………えっ? そっち?」
どうしてマユちゃん先輩、ぽかんとしてるの?
そっちって、どっち?
あ、この話題、だめだった!? 変換、失敗!?
「総長は総長だけど……ほかに、気にならなかったの?」
「ほか? あ、じゃあ訊いてもいいですか?」
「ええ、いいわよ」
「マユちゃん先輩のその口調って、元からですか?」
またぽかんとされ、あげくにクスッと噴き出された。
なぜだ。
そっちが気になることは訊いていいって言ったんだよ?