死んでもあなたに愛されたい



「何がおかしいんですか」


「ご、ごめんなさいね。し、質問が、思ってたのとちがって……ふふっ」


「逆になんて訊かれると思ったんですか」


「ビジネスオネエなのか~、男が好きなのか~って」


「ふーん?」


「ふーんって……ふふっ。ほんと、おもしろい子ねぇ」




ほめてる? それ、本当にほめてる??


マユちゃん先輩、まだ笑ってる。

ツボがわからん。


見兼ねた魁運が、疑問に答えてくれた。




「繭がそのキャラになったのは、去年からだ。口調や振る舞いだけ女ぶってるだけで、中身はフツーの男だぞ」


「新しく入ってきた下っ端のヤツがね、女性恐怖症なんだって。治したいんだけど、どうにもできないって泣いててね。それなら総長がひと肌脱いでみせよう! つって、まずは女口調から慣れさせてるとこなの」




ようやく笑いが引いたマユちゃん先輩は、うしろに結われた髪をさらりと撫でた。




「髪を長く伸ばしてんのも、女に人気な髪色も、そのためなんだろ?」


「そ! 最近はわたし自身、楽しくなっちゃってね、今度ネイルにも挑戦しようと思うの」


「いいと思います! 髪色と合わせてピンクにしたらぜったいかわいい!」


「採用! ピンクにするわ!」




クラスメイトの空気感から、なんとなく神亀はきらわれ者なのかと案じていた。


そんなことなかったね。

仲間思いのすてきなチームだ。


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