死んでもあなたに愛されたい
加味
今日は基本的に、あたしの思いどおり……コホン、もとい、願いどおりに過ごせた気がする!
魁運と昼休みを過ごせて。
一緒に帰ろうって言ったらすぐにオッケーもらえて。
さりげな~く寄り道して、下校デートに持ちこんじゃおうか!
そう企んでいるうちに、永鳥家の近くまで来ていた。
内心ふてくされつつ、神社のところに誰かいるなあ、とぼんやり眺める。
参拝客かな。
あたしの知り合いにちょっと似てる。
似てるどころか、そっくりだ。
……い、いや、ちがうよね?
あの子がこんなところにいるはず……。
それに、あんな、コテで念入りに巻いたような髪型じゃないし。
「……あれ? ひぃちゃん?」
「えっ」
まさか、と思った。
「隣のすてきな男性は、どなた?」
「ええ!?」
知り合いのそっくりさんじゃなくて、本物でした。
これはさすがに予想外!
ここで遭遇するなんて!
しかも、あたしは聞き逃さなかった。
隣のすてきなヒト、って言ったこと。
すてきって……!
あたし以外が、魁運のこと「すてき」って言った!
お世辞だろうとなんかやだ!
そんなのあたしの願いにはありません!!